無知と欲望

Message from ラッセル・エルワンガー — タワージャズ最高経営責任者& TPSCo会長

「この男の子の名は無知である。この女の子の名は欲望である。この二人に気をつけよ、彼らの階級すべての者を警戒せよ。が、特にこの男の子に用心するがいい。まだ消されずに残っているとしたら、この子の額には『破滅』とありありと書いてあるからだ」

— T-チャールズ・ディケンズ作『クリスマス・キャロル』で、クリスマスの第二の幽霊がそのローブに隠れている二つのおぞましい人影について、スクルージの質問に答えるシーン。

 

なぜ無知に最も用心せねばならないのか?

目的に対し無知で理解不足であれば、ほぼ確実に、人生で「すべきこと」に一致していない「願望」や欲求を抱くことになります。 情報、知識、理解の間に大きな隔たりが存在すれば、個人としての敗北への道が待っています。知識を豊富に有し、その知識を理解と融合していけば、その分、より適切に推考し、過去、現在、将来を勘案して理にかなった決断を下すことができます。知識と理解があれば、人生の過程において必要とされ繰り返される細かな修正を評価して実行するために欠かせない手段や能力も得ることができます。

願望、すべきこと、現在を一致させ、鏡を見つめる

政治学教授であり、神学者でもあるNeal A. Maxwell氏は私たちの社会に関し、次のように適切に表しました。「これほどまで多くの者が権利について教え込まれてきた一方で、間違った行動などは存在しないと教えられている」 個人の願望が本来すべきことと大きく一致するとき、自己実現が可能になり、それは日々の行動で証明されます。自己実現ができるようになるまでのサイクルでは通常、信頼と愛情のある第三者(愛する配偶者や友人)からの意見が必要です。人は、自分の意図と行動が大きくかけ離れている場合があるので、第三者が鏡をかざしてやることで、意図を適切な行動にする助けになるのです。

ビジョン(目的)、ミッション(願望)、価値(すべきこと)、行動(現在)

「願望」、「すべきこと」、「現在」—この三つの領域が同時に大きく重なり合うと、企業は繁栄し始めます。 企業がビジョンなく進んでいく、ビジョンが市場ニーズに適合していない、またはビジョンがその行動にそぐわない場合、目的に対し無知であり、「破滅」がその額に記されています。 失敗するでしょう。目的を明確にし確認すれば、ミッション(願望)と価値(すべきこと)が確立され、促進されていきます。

お客様は最良の第三者であり、企業がいかに価値(すべきこと)をミッション(願望)と整合させ、行動(「現在」)に反映させているかについて意見を下さります。お客様から定期的にフィードバックを頂き、あらゆる段階や活動において必要な変更を行う誠実さと勇気をもって偽りのない内省をすること通じ、この3つが重なり合っていることを絶えず確認し、調整する必要があります。 

当社はビジネスや業績のあらゆる側面にわたって、著しい成長を実現しました。これは頂点に向かって前進していることを示す明るい兆しだと考えています。当社の現在および将来における成功は、ひとえに皆さんのご意見、そしてそのご意見に迅速に対応する当社の能力にかかっています。当社は、皆さんのご意見を基に改善を要する分野を認識し、行動しています。 世界に先駆けるアナログファンドリの地位に当社を導いてくださった皆さんのご協力に感謝いたします。 当社は、「願望、すべきこと、現在」の状態を常に評価し続け、この3つの完全なる一致を目指し、行動していくことに邁進して参ります。

ラッセル・エルワンガー
タワージャズ CEO 
TPSCo会長