TECHNOLOGY FOCUS

Design Enablement—Design it once; design it right.

コンシューマーおよびインフラ向けエレクトロニクスにおけるスペシャリティICの過去10年にわたる急増は、タワージャズのようなファンドリ企業が提供する、カスタマイズされた半導体技術によるアナログアプリケーションの集約を促進してきました。その結果、仕様を満たす設計という明白な要件に加えて、性能、市場投入までの期間、製造可能性の3点が重要な要件として注目されています。

設計チームが、一つのシャトル上で数十もの試作品を評価するような贅沢を許されていた時代はもはや過去となり、「設計は、一度で、正しいものを(design it once; design it right)」というスローガンのように、first-time design successへの取り組みが業界ではあたりまえになりつつあります。タワージャズは、先頭に立ってこのスローガンを実現可能にしてきました。当社は、洗練された技術を補完し、これらの実現を可能にするデザインイネーブルメント・プラットフォームを提供しています。このプラットフォームには、プロセスデザインキット(PDK)、IP、リファレンスフロー、そして当社のプロセステクノロジー専門のデザインサービスが含まれています。

パフォーマンス

パフォーマンスおよび最適化の目標を達成する鍵は、コンパクトモデルの正確さとスケーラビリティです。コンパクトモデルは基本的に、SPICEのようなシミュレーションツールに実装されている、半導体デバイスの電気的、電磁気的、温度上の振る舞いを表す一連の解析方程式です。良く一致したモデルと実シリコンは、ローノイズアンプ(LNA)のゲインや降圧コンバーターの効率など、回路レベルの性能指数の正確な予測をもたらします。

同様に、正確なサイズ変更が可能なモデルによって、設計者は回路性能を最適化することができます。例えば、パワーマネジメント・プラットフォームにおける当社独自のスケーラブルなLDMOSモデルでは、 オン抵抗と絶縁破壊電圧との連続的なトレードオフが可能です。

一部のファンドリモデルにおいて無視されることの多いリンケージは、レイアウトと関連していますが、タワージャズのPDKでは、パラメータ化されたセル(p-cell)から生成されたレイアウトが、回路図上でのモデルと密接にリンクしています。さらに、高度な寄生パラメータ抽出能力により、カスタムレイアウトおよびルーティング効果を、テープイン前に正確にシミュレーション・最適化することが可能です。

製品化までの時間

いったん設計が回路図上で概念化されると、デザインツールの能力と柔軟性およびサポートがレイアウト設計(GDS)をいかに迅速に行うことができるかの決め手になります。タワージャズでは、様々な機能を持つPDKに加えて、当社のEDAパートナーにより提供された、包括的なアナログおよびミックスドシグナル設計機能・能力をサポートしています。これらは、マッチング改善のためのダミーゲート用p-cellオプションを提供することや、p-cellプロパティのGUIに組み込まれた、さまざまな種類の素子分離に対応したシリコン最適化済みの自動ガードリングなどシンプルなものです。物理的検証は、バッチプロセスまたはインタラクティブフォームによって、効率よく設定・実行することができます。

ここ数年、タワージャズでは多様なリファレンス設計フローやオンラインでの研修用ウェビナーを追加し、新たな技術ユーザーがPDKを中心としたツールの設定や使い方をより短期間で習得できるようにしています。お客様をコンセプトからテープインまで一貫してご案内することが、当社によるワールドクラスのサポート・エコシステムなのです。

当社のオンライン・カスタマーポータルは、毎日24時間ご利用いただけます。このポータルから「ファイルエクスチェンジ」にアクセスし、技術文書や設計ライブラリの検索、閲覧、ダウンロードが可能です。

ログインしていただくことで、フォーム、設計データ、その他のファイルを安全に転送することもできます。さらに、初期フェーズから製造まで、設計フローを一貫して当社の設計サポートエンジニア(DSE)がご一緒することで、比類のないカスタマーサービスを提供します。当社のデザインセンターには、技術性能に関して独自の見識を有する経験豊富な設計担当者がおり、ブロックであれチップ全体であれ、設計のご相談に応じます。

製造可能性

半導体業界のあらゆる場面でコスト削減の動きがあり、設計チームには温度、電圧、ESDといった外的要素と同様に製造工程におけるばらつきに対応すべく設計を最適化することが求められます。

過去10年にわたり、タワージャズはモンテカルロ統計を用いた一連のモデリング技術を多数開発し、プロセスのばらつきや主要なパラメータ変化に対する設計のシミュレーションと最適化を可能にしてきました。昨年リリースされたPDKでは、基板電流や安全動作電圧チェックなど、二次的な効果をモデル化することに注力しました。

また、当社の最新の0.13um~0.18um製品には、高度なESDおよびパワードメインチェック向け独自ソリューションが提供されています。

デザインイネーブルメントに関する詳細については、Ofer Tamir (ofer.tamir@towerjazz.com) またはSamir Chaudhry (samir.chaudhry@towerjazz.com) までお問い合わせください。