TECHNOLOGY / R&D AND INNOVATION

2015年を振り返って

2015年、タワージャズは多くのことを達成しました。収益の年間ランレートは10億ドルまで伸びており、ティア1のお客様方との協働による多世代アナログロードマップの開発、今後数年間を見据えた生産能力の増強などを実現しました。

オペレーション

2015年、タワージャズは米国テキサス州サンアントニオにあるMaxim Integrated社の8インチファブを取得したことにより、世界規模で生産能力が拡大したことを発表しました。 今回の生産能力の拡大で現在および将来の強い需要に対応することが可能になり、生産の柔軟性と費用対効果が高まります。また、1カ月あたり約28,000枚のウエハの増産が可能になります。 タワージャズはお客様からの需要の増加にお応えするため、このファブにおいて先端の高周波SOI(RF-SOI)など当社の核となるスペシャルティテクノロジーの認証を迅速に進める予定です。

研究開発

タワージャズの世界各国のファブには、高等教育を受け、かつ経験を積んだR&Dスタッフの知識とスキルに育まれたイノベーション環境があります。  ニューポート・ビーチ(カリフォルニア州)のRF&MEMS、ミグダルハエメク(イスラエル)のCMOSイメージセンサ、NVM、パワーデバイス、そして日本のファブにおける車載チップ、スケールダウンCMOS、組み込み製品対応CMOSなど、それぞれのサイトが固有の経験を有しています。  2015年には、サイト間の技術移転等の製造戦略と並行して、R&Dについてもサイト間の協力関係を育みました。 多様なフィールドのR&Dエンジニアの経験を集約することで、タワージャズのお客様にとってブレークスルーとなるビジネスの機会を開く斬新なアイデアが育ちました。

2015年テクノロジーハイライト

タワージャズのすべてのビジネスユニット(BU)において、イノベーションプロジェクトが技術面の進展を促し、お客様の次世代デバイスをサポートしました。

RF/ハイパフォーマンスアナログ

RF SOI関連では、2015年には量産をおこなうタワージャズの製造拠点が増加しました。現在では、米国とイスラエルの両方のファブにおいてすべての種類のRF SOIおよびRF CMOSの生産をおこなっています。  また魚津(日本)にあるTPSCoの300mmファブは、RF SOIデバイスで業界最高のRon-Coff(オン抵抗xオフ容量)性能指数になるサブ90fsを達成しました。  SiGeでは低ノイズアンプ、およびスマートフォンその他のモバイルプラットフォーム向けに新たな種類のパワーアンプの生産を開始しました。  当社の高速SiGeプラットフォームは、UCSDの5G 256エレメント60GHzのフェーズド・アレイ・トランスミッタなどの業界で最も印象的なデモに使用されました。

パワーマネジメント

タワージャズは先進的な0.18ミクロンのパワーマネジメントプロセス(TS18PM)を拡大し、効率性の改善、低電力消費、小型化に直結するオン抵抗(Rdson)の30%改善に成功しました。 このプラットフォームはコンピュータ、ワイヤレス、産業用、車載用など、今日のパワー半導体市場の40%超に照準を合わせています。 タワージャズのTS18PMプラットフォームを使用したエンドユーザー向けアプリケーションの1つに、マルチフィンガーやデジタルペン(スタイラス)を認識する特殊な機能を有するタッチスクリーン・コントローラがあります。 最近、この先進的なデジタルペン技術はMicrosoft社のSurface製品に採用されました。

CMOSイメージセンサ

タワージャズはこの1年で多くの新しい技術を開発し、そのうち3Dジェスチャーコントロールアプリケーション向け近赤外線感度の小型グローバルシャッター(GS)ピクセルを含む複数の技術はすでに量産段階に入っています。 これは6Tピクセルとして知られるトゥルーCDS(相関2重サンプリング)ピクセルです。 また当社は、深度センシング技術向け最新赤外線センサおよび紫外線感度が極めて良好なBSIセンサの量産を開始することも発表しました。 BSIについては、ヨーロッパでのパートナーと協働して多くのお客様向けに順調に開発が進みました。 さらにタワージャズでは、車線逸脱防止および暗視用に徐々に拡大しつつある自動車用ADAS(先進運転支援システム)市場の一部として、車載分野で使用される独自の「ゲーテッド」ピクセルを開発しました。

ミックスドシグナル/CMOS

昨年、タワージャズはTPSCoで複数のミックスドシグナルおよびCMOSプラットフォームの認証を完了し、お客様のために製造能力を拡大し、製造の柔軟性を高めました。 また、タワージャズではワイヤレス通信(60~77GHz)、車載用レーダー(57~86GHz、主力は77GHz)、およびイメージングやスキャニング(100GHz)などの様々なアプリケーションを対象とする初の65nmミリ波(mmWave)RFCMOSプラットフォームを発表しました。

TOPS

2015年は、TOPSビジネスにとって非常に忙しい年でした。これは、TPSCoの砺波ファブ(日本)で複数の大口顧客のプロセス移管が増え、またイスラエルでタワージャズの重要なお客様のために迅速にプロセスを立ち上げ、量産も始めたためです。  TOPSはお客様のどのようなプロセスフローにも対応可能ですが、現在サポートしている主要なカスタマーアプリケーションはパワーアプリケーション向けディスクリートFET、不揮発性メモリ(NVM)、および磁気メモリです。

航空宇宙および防衛

航空宇宙および防衛関係(A&D)のお客様に対するサポートを強化するための最近の事業活動には、Jazz Semiconductor Trusted Foundry(JSTF)が米国国防総省のDMEA(Defense Microelectronics Activity)から認定を受けたことや、CMOSイメージセンサ、ROIC、赤外線(IR)カメラ向けの新しい性能など、A&Dのお客様によって開発され航空宇宙および防衛関係市場に応用される可能性がある新しい技術の実装が含まれています。

最後に

当社の昨年の業績は非常に満足できるものでありますが、2016年を通じて、拡大し続けている顧客基盤からの高まる需要に応え、将来のビジネス機会に投資することで、さらに良いポジションとなることを確信しています。