ではどうやって真実を見つけ、そこからどう行動すればよいのでしょうか?
誰もが確実に知ることができる真実とはその人自身の過去です。どういうことでしょう? 人は自身に関する出来事を具体的に思い出すだけでなく、その時の行動の背後にあった個人的な動機や欲求も分かるからです。
(A) 私たちは動機や目的においてどの行動が立派なものだったか、その中でどれが有益だったかを知っています。
(B) 同じように立派で善意に基づいたものでも不本意な結果に終わった出来事や行動もあります。
(C) それほど立派ではない、結果がどうあれ自分としてはあまり胸を張れない行動を取ったこともあるでしょう。
(D) どんな人生にも努力が結果的に単なる時間の無駄になってしまうことがあるのです。
これは必ずしも時間を無駄使いする行動のことではありません。反対に、志の高い人ほど良かれと思ってあまりに多くのことに深く関わってしまい、かえってどれもうまくいかないものです。無駄をゼロに近づけていくためには何が最高の利益をもたらすかを理解し、それに集中しなければなりません。
このように注意深く分析すれば、過去というものは (A)から (D)のいずれかに分類できます。しかし、分類しただけでは過去は事象の総和(スカラー)に過ぎず、単なる過去のままです。分析した過去の真実を、賢明な現在の真実に向かうための重要な推進力(ベクトル)として使うことがその目的なのです。具体的には、結果を伴った崇高で立派な行動(A)はさらに増やし積み重ねていかなければなりません。この時、積み重ねていく成果が自分の思い込みにならないよう、外部からきっちりと評価してもらいましょう。実際に自分は正しいという錯覚に囚われてしまう人もいるのです。性質としては崇高でも、望ましい結果にならなかった行動(B)については、やり方を変えて続けるべきです。この場合も第三者の意見を取り入れましょう。(C)に当てはまる行動やライフスタイルは努力して(A)に変えていかなければなりません。(A)が増えて(B)が(A)のようなプラスの結果をもたらすようになれば、努力が無駄になること (D)も減るでしょう。
関わる(能動的に行動する)こと、私たちの周りにあるデータをよく見ること、そのうえで積み重ねた経験、成熟した論理と根拠、創造性に基づいた見識ある決断をすることで、過去から現在の好ましい真実を導き出すことができます。つまり、私たちが憧れる理想やその結果としての行動に近づくのです。もちろん、人間は将来起こる状況すべてをコントロールすることはできません。しかし、個人、集団、企業、国家、社会が過去を慎重に分析し、現在を好ましい真実にするためにそれを活かすというプロセスをたゆまず続けていくのであれば希望はあります。単に好ましいだけでなく、望むべき真実に近づいた、つまり人が拠り所にしたいと思う理想すべてが叶う未来を実現するチャンスが広がるでしょう。
私たちタワージャズにとっての「望むべき真実」とは?それはお客様、株主の皆様、従業員の皆さんの最終的な目的をひとつにすることです。 それぞれの皆さんと対話し率直な意見をいただきながら、私たちは絶えず自己評価を行っています。私たちの卓越性を追求する姿勢、そして持続可能な価値の創出へのこだわりがここに表れているのです。